心理学

心を描くアートセラピーとは

2021年6月21日

皆さんはもしかしたら、幼い頃、画用紙にクレヨンで絵を描いた経験があるかもしれません。

特に誰に教わったわけでもなく、心の赴くままに、好きな色のクレヨンを使って、絵を描いた経験が。

そういったアートを用いる、心理療法「アートセラピー」について紹介します。

アートセラピーとは

アートセラピーとは、創造的な表現が癒しと精神的健康を促進することができるという考えに根ざした技術です。

アート、つまり芸術という言葉が使われるセラピーですが、芸術的な上手さや美しさを目指すものではありません。

アートセラピーに使われるアートの種類には、コラージュ、お絵描き、粘土を使ったアートワークなど、色々な種類があります。

日本で人気の箱庭療法なども、アートセラピーの一種と捉えられることもあります。(もしくは遊戯療法)

一方で「大人の塗り絵」に代表されるような、セルフケアのための塗り絵と、資格のあるアートセラピストが提供するアートセラピーは区別されています。

アートセラピーを受けると、言葉で上手く言い表せない気持ちに気づいたり、自分の心を見つめたり、癒しになることもあります。

治療の一環として絵画を描かせ、クライエントの自己表現をうながしたり、あるいはカタルシスを起こさせて直接的な治療効果を期待することもあれば、治療的コミュニケーションや解釈の素材とする間接的な治療効果を期待する場合もある。

筑波大学大学院人間総合科学研究科教授 小川俊樹「絵画と臨床心理学」より

アートセラピーの歴史

アメリカの心理学者であり、アメリカで最初のモンテッソーリ学校を開校した教育者でもある、マーガレット・ナウムバーグ。

彼女は1940年代に治療法として芸術を導入し、それを「アート・セラピー」と名付けました。

同時期に、オーストリアの画家であり、フロイトの精神分析に造詣が深かった、エディス・クレイマーもまた、芸術と心理学を組み合わせる「アート・セラピー」を行っていました。

それから80年たった今、アートセラピーは、さまざまな精神障害や精神的苦痛の治療に使用されています。

そして、アートセラピストは、病院や介護施設、学校など、さまざまな分野で活躍しているのです。

アートセラピーが用いられるケース

アートセラピーが治療に使用される可能性のあるいくつかのケースは次の通りです。

  • 老化関連の問題
  • 不安
  • がん
  • うつ病
  • 摂食障害
  • 感情的な困難
  • 家族や人間関係の問題
  • 医学的状態
  • 他の医学的問題に関連する心理的症状
  • PTSD
  • 心理社会的問題
  • ストレス
  • 物質使用障害

参考:VerywellMind「What Is Art Therapy?」

アメリカのアートセラピー協会(American Art Therapy Association)の公式サイトでは

アートセラピストが実際の関わりについて話している動画コンテンツがあります。

https://arttherapy.org/art-therapy-action/

自分の身に起こったことを言葉で上手く説明するすべを持たない子どものための対話の糸口として、

自分自身が何者であるか分からない若者のための、自らを表現する方法として、

認知症により自分を見失ったように感じる高齢者の、今ある自分を認識する手法として・・・

年齢や抱えるバックグラウンドはさまざまですが、アートセラピーが苦しむ人を助ける一助となっています。

アートセラピーの専門性

スピリチュアルや占いなどが人気な日本では、日本語でセラピーと言うと気軽に提供される印象がありますが

国によってはセラピストと言えば、医療現場で働くことも一般的な、国家資格あるいは専門資格であり、高度な技術を持った専門職です。

アートセラピストになるためには、大学や大学院で2~3年かけて、特別なプログラムを履修することになります。

アメリカのアートセラピー協会(American Art Therapy Association)によると、資格取得には少なくとも100時間の実習と、600時間の臨床インターンシップが必要です。

一方で、日本では公認心理士・臨床心理士や精神科医、カウンセラーなどがアートセラピーを提供していることが多く、資格も民間資格のみです。

もし、本格的なアートセラピストのセラピーを受けてみたい場合は、海外プログラムで修士号を取得された方を探してみてはいかがでしょうか。

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