グリーフの知恵

グリーフとうつ病の違いとは

2020年12月20日

グリーフとうつ病の症状は、実は非常によく似ています。

気分の落ち込み、無気力、疲労感などは両方に共通の特徴だからです。

さらに、グリーフとうつ病が同時に起こるケースもあります。

グリーフとうつ病の見分け方

グリーフとうつ病の違いについての議論は、もう100年以上も精神医学が整理しようと取り組んできた課題のひとつです。

現在ひとつの見解となっているのが、アメリカ精神医学会が作成している「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」と呼ばれるマニュアルです。

従来の診断基準では、死別によって起きる抑うつ状態は、すぐにうつ病とは診断しないこと、というただし書きがあったのですが、最新版ではそれが削除されています。

ポイント

死別によるグリーフは誰にでも起こる自然な反応ですが、うつ病などの治療が必要な病気となる可能性もありうる。

そういった背景から、本来ならばグリーフとして向き合っていけることも、病院でうつ病と診断されたために、薬が必要ない人にも抗うつ薬が処方されている可能性もあります。

それは、うつ病ではなくグリーフかもしれない。

ただ、グリーフがどのくらい続くかは、人によってそれぞれ異なるため「その悲しみが何か月以上続いたら、うつ病なので受診してください」といった基準がないことも、判断を難しくさせています。

そこで、グリーフかうつ病か見分ける方法のひとつとして、それぞれに特徴があるので紹介します。

グリーフとうつ病の重要な違いは、うつ病では、愛する人を亡くした喪失感が、心の奥にある温かい思い出によって補われることだとも言われています。

例えば、亡くなった人と過ごした日々が、素晴らしい思い出として心の中に生きていること、などがそうです。

一方うつ病は、喪失感が内面の空虚感をもたらすことが特徴です。

幸せや喜びを感じる気持ちが無くなっていることが多く、グリーフとは異なり、思い出が心の喪失感を補ったりすることはありません。

遷延性悲嘆

通常、死別に伴うグリーフは、時間の経過とともに自然に和らいでいくと言われています。

しかし、ご遺族の中には激しい悲嘆が続き、重い精神症状や生活機能の低下などを引き起こす場合があります。

これらの症状を遷延性悲嘆(あるいは複雑性悲嘆、外傷性悲嘆、複雑性悲嘆障害)と呼び、現在も検討が重ねられています(WHO ICD、DSM他)。

そして、このような症状がみられる場合は、精神科を受診しサポートを受けることが必要です。

これからも、グリーフととうつ病の議論は重ねられていくでしょう。

個人では判断ができない領域なので、医師に適切な判断を仰ぐことが大切です。

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