レビュー

映画「風の電話」と絵本「かぜのでんわ」

2021年6月27日

風の電話とは

岩手県大槌町に実在する、電話線がつながっていない電話ボックスがあります。

遺族と亡くなった人の想いをつなぐ「風の電話」です。

2011年に完成したこの電話ボックスの制作者は、佐々木格(ササキイタル)さん。

従兄の闘病とその死をきっかけに「亡くなった人への思いを伝える」ものとして作られたものです。

電話ボックスの製作は東日本大震災により一時的に中断するなどしましたが、2011年に完成。

佐々木さんはこの電話ボックスと庭を、誰でも訪れることができる場所へ解放、それから4万人以上が訪れています。

受話器のよこには、こう書かれています。

風の電話は心で話します 静かに目を閉じ 耳を澄ましてください

風の音が又は浪の音が 或いは小鳥のさえずりが聞こえたなら

あなたの想いを伝えてください

映画「風の電話」とあらすじ

風の電話をモデルにした映画が、2020年に公開されました。

第70回ベルリン国際映画祭 国際審査員特別賞受賞。

予告編を見るだけで、胸がじーんとなる、そんな映画です。

17歳の高校生ハル(モトーラ世理奈)は、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子(渡辺真起子)の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、常に寄り添ってくれる広子のおかげで、日常を過ごすことができたハルだったが、ある日、学校から帰ると広子が部屋で倒れていた。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか―。憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平(三浦友和)、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田(西田敏行)。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾(西島秀俊)と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある<風の電話>へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に―。

映画「風の電話」公式サイトより

絵本「かぜのでんわ」

風の電話をモデルにした絵本です。

どうぶつたちが、山の上に電話を掛けにやってきます。

子ども向けの絵本ですが、涙なしには読めない、泣けてくるとの感想が多く

その気持ちを、いもとようこさんの可愛らしくあたたかい絵が、包み込んでくれます。

口コミ・レビュー

図書館でみつけて気軽によみはじめてしまい・・・・・棚の影で号泣しました。
後日、実際にこのでんわが設置してある場所をたずねた方とお話しする機会があり、どれほどこのでんわが人のこことを救っているのかということを聞きました。
「でんわ」つながってないのにね。必要なんですね。こういう「形」「場所」があって(今は絶滅危惧の電話ボックスこそ重要なポイントかも)ようやく抑えているこころを解き放つことができるのかもしれませんね。
いもとようこさんの絵があったかくって、やさしくて悲しいだけでなく感じることができる物語になっています。

口コミ・レビュー

いもとようこさんの絵本は子どもたちが小さい頃から親しんでいるので、この絵本が話題になっていることを知って、読みたいと思っていました。
小学校2年生の娘が、このお話をとても気に入って、お姉ちゃんに内容を一生懸命説明していました。
ラストシーンで、「会いたい」という強い気持ちが現れたところに、驚きと喜びを感じたようです。

まとめ

風の電話は、亡くなった大切な人との対話であり、また自分自身との対話であるような気がします。

その対話こそが、大切な人を失い、もう生きていけないほど、辛い悲嘆のどん底から

それでもなお生きるための力を、自分自身が本来持つ力を取り戻していくのかもしれません。

死別の悲しみ語りませんか?遺族同士で交流できる無料掲示板

遺族サポートネットは、大切な人を亡くした遺族が、悲しみに向き合い、ありのままの気持ちや、心の中にある感情を少しずつ吐き出すことができる場所を提供しています。

まるで24時間運営のサポートグループのように、昼夜問わずいつでもメッセージを読んだり投稿したりできる無料コミュニティです。

ともか@遺族サポートネット

社会起業家 / 死別経験者のための無料コミュニティ運営中【病気, 事件, 事故, 自死, 流産, 死産, 乳児死, ペットロス】 / グリーフケア有資格者&心理カウンセラー研修生 / 自死遺族 / 裁判2年 / 大切な人を思いともに生きる

人気の記事

1

大切な人を亡くすことは、人生で最大のストレスとも言われるほど、辛く悲しい、深い悲しみです。 どんな言葉も、心に届かない時もあるかもしれません。 それでも、悲しみに向き合い、少しでも穏やかな癒しの瞬間を ...

2

大切な人を亡くすことは、人生でも特に辛く悲しいことです。 遺された人は、心や身体にさまざまな影響を受けます。その中で、心の痛みを抱えながらも、再び自分らしさを大切にして生きていけるようになるまでには、 ...

3

厚生労働省のWebサイトで紹介されている、SNSやチャット相談ができる団体をご紹介します。 相談先については、それぞれのリンク先よりご確認ください。 特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリン ...

4

ペットロスとは ペットロスとは、大切なペットとの別れ、そしてペットを失うことに対する様々な反応のことを言います。 ペットロスは病気や珍しいことではなく、飼い主であれば、誰でも経験する出来事です。しかし ...

-レビュー

© 2022 遺族サポートネット Powered by AFFINGER5