グリーフの知恵

死を子どもにどう伝える?|子どもが死について理解できる説明の仕方

2021年3月5日

大切な人やペットが亡くなったことを幼い子どもに伝えるのは決して簡単なことではありません。

そして、多くの人がそれを避ける傾向にあります。

しかし、死は生きていく上で必然であり、子どもが正しく認識できるように伝えることは、大人の責任としてとても大切です。

子どもと死の認識

子どもの死に対する理解は、年齢や発達段階により大きく異なります。「がん情報サイト」が専門的な情報提供をされていますので、ご紹介させていただきます。

年齢(歳) 死の理解 悲嘆の表現
0–2
死をまだ理解できない。
沈黙、不機嫌、活動量低下、睡眠減少、および体重減少。
母親との分離が変化を引き起こす。
2–6
死は眠りに似ている。
多くの質問をする(お母さんはどうやってお風呂に行くの?どうやってご飯を食べるの?)。
食事、睡眠、および排尿・排便コントロールにおける問題。
見捨てられることへの恐れ。
激しい怒り。
故人は何らかの形で生きて機能している。
魔法の力によるというような考え(僕[私]が考えたこと、僕[私]がやったことが原因で死んじゃったの?お前なんか嫌いだとか、お前なんか死んじゃえとか僕[私]が言ったから?)。
死は一時的なもので、終結ではない。
故人は生き返りうる。
6–9
死は、ある人間または精霊(骸骨、幽霊、またはブーギーマン)として擬人化される。
死に対する好奇心。
具体的な質問をする。
学校に対して過大な恐怖を抱くことがある。
死は終結で恐ろしいものである。
攻撃的行動を示すことがある(特に男児)。
架空の疾患に不安を抱くものがいる。
死は他者には起こるが、自分には起こらない。 見捨てられたと思うことがある。
≥9
誰もが死ぬ。
感情的高まり、罪悪感、怒り、恥ずかしさ。
自己の死に対する不安の増大。
気分の動揺。
死は最終的で変えられないものである。 拒絶されることへの恐れ、仲間と違うことを嫌がる。
自分も死ぬ。
食習慣の変化。
睡眠における問題。
退行的行動(戸外の活動への関心喪失)。
衝動的行動。
生存していることの罪悪感(特に、同胞、あるいは仲間の死に対して)。

幼児

幼児の場合は、死を認識することはできません。

喪失と別離の感情は、まだ死の認識の発達途上にあります。

自分の大切な保護者(親など)が亡くなった場合、不安を感じ取ることがあります。

無関心、沈黙、ほほえみや話しかけへの無反応、身体的変化(体重減少など)、活動性の低下および不眠といった変化が現れることがあります。

2~3歳

死を眠りと混同することが多く、多少の不安を感じることがあります。

悲嘆の早期段階では、残された子どもは話をすることが少なくなったり、不安感や落ち着きのなさを示すことがあります。

3~6歳

生と死の違いをはっきり区別できませんが、死の原因が自分にあると考えることもあります。

死を眠りのようなものと考え、その人はある限定された形で生きていると考えます。

また、死と生の違いをはっきり区別できておらず、故人が(例えば、埋葬された地面の中で)生き続けていると考えることがあり、故人の活動についてしばしば質問します。(例えば、死んだ人はどうやってご飯を食べるのか、トイレに行くのか、息をするのか、遊ぶのか)。

肉体の死は認識できますが、一時的または段階的な出来事であり、死は(出かけて帰って来ること、あるいは「いないないばあ」のように)元に戻るものと考え、命の終わりだとは考えていません。

死は、魔法の力によるという考え、あるいは、自分が死の原因を作ってしまったと感じる場合があります。

自分が何か悪いことをしたから、あるいは何か悪いことを考えたから、愛する人が病気になったに違いないと思い、そのために愛する人が死んだと考えることもあります。

5歳未満の子どもは、死に反応して、摂食、睡眠、排尿・排便コントロールに支障をきたす場合もあります。

6~9歳

死は命の終わりだと認識していますが、普遍的とは考えていません。死について知りたがり、問題行動を示すこともあれば、引きこもることもあります。

死について知りたがり、身体が動かなくなったときに何が起きるのか、具体的な質問をすることもあります。

死は、別の人または精神:骸骨、幽霊、死の天使、ブーギーマンとして擬人化されます。死は命の終わりで恐ろしいものと認識していますが、死は誰にでも訪れるものであり、自分自身にもいずれは訪れることとは考えていません。

死が命の終わりで現実であるが(自分たちにではなく)主に高齢者に起こると認識して、妥協的に考えるようになります。

悲嘆にくれる子どもは、学校恐怖、学習障害、反社会的行動、攻撃的行動を示すこともあれば、心が不安定になり、引きこもることもあります。

また反対に、過剰に丁重になり、他者にまとわりつくようになることもあります。

男児は攻撃的行動および破壊的行動(例えば、抑圧された感情の学校での表現)が多くなることがあり、率直に悲しみを示すのではなく、こうした行動で感情を表現することがあります。

片親が死んだとき、残された片親はしばしば自らの悲しみで頭が一杯で子どもを感情的に支えることができないため、子どもは死んだ親からも生き残っている親からも見捨てられたと感じることがあります。

9歳以上

死は命の終わりで、普遍的なものだと認識します。

9歳までには、死が避けられないことを理解し、もはや罰とは考えないようになります。12歳までには、死は命の終わり、つまり終結で、誰にでも訪れるものであり、自分自身にもいずれは訪れることと考えるようになります。

子どもに死を説明するときに気を付けたほうがいいこと

ココがポイント

子どもに死について話すときは「亡くなる」「眠る」「休む」「去った」と表現しないこと。

子どもに死について話すときは「亡くなる」「眠る」「休む」「去った」などの言葉は、子どもを混乱させ、誤解を与えるので、使うのを避けることが重要です。

「亡くなった」「去った」と言われた場合、例えば、おじいちゃんは、ただ「亡くなって」「去って」戻って来ないことになります。

その場合、長い外出や、離婚を、子どもは死と混同して心配になるかもしれません。

「永遠の休息」「眠りについた」と言われた場合、子どもは死と眠りを混同してしまう可能性があります。

例えば、「おじいちゃんは永遠に眠りについた」と言われた子どもは、自分も眠ると二度と起きられないのではないかと恐れて、眠るのが怖くなるかもしれません。

参考

子どもは相手の言葉をそのまま受け取る。だから正確に伝える必要があり、子どもの質問に唖然となるような態度は慎んだほうがいい。小さな子どもは「死んだ人のからだはどこへ行ったの?」「お墓に入ったら、どうやって食べるの?」「いつ目が覚めるの?」といった、死の身体的な側面について質問したがるものである。

ーエリザベス・キューブラー・ロス『永遠の別れ』より

子どもに死について説明する方法

”死”という言葉を使って、分かりやすく正しく伝える

何が起こったのかを、できるだけ分かりやすく正しく説明するのが最善です。

そのために、あえて”死”という言葉を使います。

「悲しいお知らせがあってね、あなたの○○は、死んでしまったの。」

「人が死ぬと、体が動かなくなって、これまでのように食べたり、歩いたり、遊んだり、あなたを抱きしめたりすることはできないの。」

もし子どもが質問をした場合は、出来るだけ誠実に、正しく説明してください。

例えば、「体を直すことができるの?」と尋ねられた場合、「死んで体が動かなくなると、もう二度と動かすことはできないよ。」などです。

子どもが自分のせいで…と誤った責任感を感じないようにする

3~6歳ころの子どもは、自分のせいで大切な人やペットが亡くなったと考えることがあります。

そのため、子どもが誤った責任感を感じないために、死が子どものせいではないことを伝えてください。

大人は悲しみを封印したり気丈に振舞ったりせず、子どもに感情やその理由を説明する

この間、子どもに自分の悲しみの気持ちを隠したり、気丈にふるまったり、何でもないようなふりをする必要はありません。

あなたが泣いている姿を子どもが見たら、あなたが感じていることと、その理由を、そのまま子どもに説明してあげてください。

枯れた花、木、昆虫、鳥について話す機会を持っておく

大切な人の死を迎える前に、子どもに死について教える方法もあります。

枯れた花、木、昆虫、鳥について子どもと話す機会を持つことです。

もしあなたが、死に関して宗教的信念を持っているなら、その理由について子どもと話すのも良いかもしれません。

子どもがどのように感じ行動しているか見守る

悲しみは時間の経過とともに起こるプロセスでもあります。

子どもがどのように感じ、行動しているか、見守りながら、一緒に話をしてみてください。

ココがポイント

”死”という言葉を使って、分かりやすく正しく伝えること。

子どもの誤った責任感を防ぐこと。また、子どもに感情を隠さないこと。

枯れた花、木、昆虫、鳥について話す機会を持っておくこと。

子どもがどのように感じ行動しているか見守ること。

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